広大地評価の改正案について国税庁が意見公募を開始
みなさま、こんにちは。相続専門税理士の髙原誠です。6月22日に財産評価基本通達の一部改正に関するパブリックコメント(意見公募)が掲示されました。これには広大地評価の見直しが含まれています。
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広大地評価の規定が見直されることは今年度の税制改正大綱で明らかにされ、大綱上は「広大地の評価について、現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する」と記述されていました。
「形状・面積に応じた補正率がどのようなものになるか」「適用要件がどこまで明確化されるか」が焦点となっていましたが、この度の改正案の提示によりその内容のおおよそがわかってきました。
広大地評価は廃止に
パブリックコメントに示された改正案によると、広大地評価は廃止となり、「地積規模の大きな宅地の評価」(財産評価基本通達20-2)が新設されます。
三大都市圏では500㎡以上、それ以外の地域では1,000㎡以上の宅地に対し、奥行価格補正や不整形地補正等の補正率に加え(※)、新たに「規模格差補正率」が適用されることになります。
適用対象となるのは普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に所在する宅地であり、「市街化調整区域(都市計画法に規定する開発行為を行うことができる区域を除く)に所在する宅地」、「工業専用地域に所在する宅地」、「容積率が400%(東京23区は300%)以上の地域に所在する宅地」は除外されます。
(※)奥行価格補正、側方路線影響加算、二方路線影響加算、三方又は四方路線影響加算、不整形地補正の後に適用。
規模格差補正率の計算式は下記となります。
各種補正との重複適用が可能に
これまで広大地評価と重複適用できなかった奥行価格補正、不整形地補正等と併用できることで、土地の形状に応じた補正が考慮できることとなります。また、同じく重複適用できないとされてきた無道路地、がけ地、容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地、セットバックを必要とする宅地においても規模格差補正率の適用が可能とされます。
適用要件の明確化については、先に述べたとおり適用できる地区区分が普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に限定されることが大きな変更点と言えます。
また、現在の広大地評価の要件である「戸建分譲が最有効使用であること」「開発道路等の公共公益的施設用地の負担が必要であること」等は盛り込まれていません。改正案を見る限りでは、こうした要件がなくなるという見方もできますが、企画官情報等で補足される可能性もあり、何とも言えません。
改正案は7月21日までの1か月間、意見公募が実施され、年内には成立すると見込まれます。なお、この改正は平成30年1月1日開始の相続から適用されます。現在の広大地評価を前提に将来の相続税試算や相続対策を行っている場合は再検討が求められます。