相続税還付(相続税申告後の方へ)

第13回 「無道路地」として評価して相続税還付(還付額約750万円)

依頼者 K県O区 松田様(仮名)
きっかけ 知人の方から当グループの「相続税還付の手続き」のサービスを紹介され、相続税の見直しをおまかせいただけることになりました。
減額要因 ■建築基準法上の道路ではない道路に付された路線価をもとに評価されていた
路線価は本来、宅地(建物の敷地)を評価するために設定されるものであり、土地に建物を建てるためには、原則としてその土地が建築基準法上の道路に接している必要があります。申告書では、建築基準法上の道路ではない、単なる通路に付された路線価を基にして評価がなされていました。

相続税還付・私道の評価、トップページ

K県O区にお住まいの松田様(仮名)。2年前に、お父様からいくつかの不動産のほか、現金、預貯金、有価証券などを相続されました。

あるとき、知人の方から当グループの「相続税還付の手続き」のサービスを紹介され、興味を持ったことから、相続税の見直しをおまかせいただけることになりました。

松田様のご自宅にお邪魔し、相続税申告書等の資料の調査、続いて土地の現地調査をさせていただくと、ある気になる点を見つけました。

農地であるA土地は山林に囲まれ、道幅がとても狭い南側道路に面しています。南側道路には9万4,000円/㎡の路線価が付されており、申告書上ではその路線価を基に、約3,500万円で評価されていました。私たちは、「南側道路はもしかしたら『建築基準法上の道路』ではないかもしれない」と考え、資料を一度、お預かりし、さらなる検証を行うことにしたのです。

「建築基準法上の道路」とは?

建築物の敷地や構造について定めた建築基準法によると、市街化区域など、「都市計画区域」と「準都市計画区域」内にある土地には、規定の間口で「道路」に接していない場合、原則、建物建築が認められません。

ここでいう「道路」とは、「建築基準法が規定する道路」を指し、国道や県道、市道などの公の道路のほか、個人が所有する私道なども要件を満たすことで該当する場合があります。

注意しなければならないのは、「建築基準法上の道路」では「ない」、単なる通路(法定外道路)に、相続税路線価が付されていることがある点です。路線価とは、本来、「宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設定」され、その路線に接する敷地に、建物を建てられることを前提として定められています。

もし、法定外道路に路線価が付されていた場合、このような通路にのみ接する土地には、基本的に建築が許可されないため、この点を加味して、建物建築が認められる周辺の道路の路線価と、十分な価格差がついているかどうかを検証しなければなりません。

その結果、両者の価格差が不十分であると考えられる場合には、相続税土地評価において、当該路線価を採用しないことが合理的とされる場合があります。

A土地は無道路地!

相続税還付・私道の評価、説明図2

A土地が接する南側道路は、役所で聴取したところ、「建築基準法上の道路」ではないことが判明しました。連続する「建築基準法上の道路」である西側道路の路線価は11万円/㎡となっており、南側道路は、西側道路の85%程度の価格となっています。

この点、建物建築が認められない無道路地は、そうではない一般的な土地の30%程度の価格でしか取引されないとされていることからも、建物建築が認められない点を考慮した価格差が十分とはいえず、この路線価を採用することには慎重にならなければなりません。このことから、A土地は、建築基準法等に規定する接道義務を満たしていない土地として、「無道路地」の評価を行うことが妥当であると考えられます。

「無道路地」は、無道路地(対象土地)から最も近接する路線価の付された「建築基準法上の道路」(ここでは西側道路)まで通路を開設すると想定して評価します。対象土地の場合は、西側道路の路線価11万円/㎡に基づき、奥行価格補正を行い不整形地の評価によって計算した価額から、通路に相当する部分の価額を控除して評価額を求めます(ただし、控除額は無道路地の価額の最大40%まで)。この評価方法にしたがって計算し直すと、約1900万円の評価額となりました。

相続税還付・私道の評価、説明図2

調査結果を評価意見書にまとめ、税務署に更正の請求を行ったところ問題なく認められ、その他の土地の減額分も合わせて、松田様には約750万円の相続税が戻ってくることになったのです。

土地が接する道路の状況は、その土地の評価額に大きな影響を与えます。今回のケースのように建築基準法上の道路ではないのに路線価が付されているケースもしばしばあります。

その土地が接する道路の種類によって、評価上、注意すべきポイントが異なるため、状況把握を的確に行うことが重要で、それが適正な評価額の算出につながります。本事例と同じような土地を相続されたという方、もしかしたら評価額が下がるかもしれません。ぜひ一度、当グループの相続税還付の手続きを受けてみることをお勧めします。

―この記事を書いた人―

藤宮 浩(ふじみや ひろし)(不動産鑑定士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)代表
株式会社フジ総合鑑定 代表取締役

埼玉県出身。平成7年宅地建物取引主任者資格試験合格。平成16年不動産鑑定士試験合格および登録。平成24年ファイナンシャルプランナーCFP登録。主な著書に税理士・髙原誠との共著『日本一前向きな相続対策の本』(平成27年現代書林)、不動産鑑定士・小野寺恭孝との共著である『これだけ差が出る 相続税土地評価15事例 基礎編』(平成28年クロスメディア・マーケティング)、『現地調査・役所調査からみえてくる、相続税土地評価の減額要因』(令和元年税務経理協会)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。雑誌『家主と地主』への寄稿は70回を超える。

藤宮浩不動産鑑定士
藤宮浩
(不動産鑑定士)

髙原 誠(たかはら まこと)(税理士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)副代表
フジ相続税理士法人 代表社員

東京都出身。平成17年税理士登録。平成18年税理士・吉海正一氏とともにフジ相続税理士法人を設立、同法人代表社員に就任。相続に特化した専門事務所の代表税理士として、年間約700件の相続税申告・減額・還付業務を取り扱う。不動産鑑定士の藤宮浩と共著あり(詳細は藤宮のプロフィールを参照)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。

髙原誠税理士
髙原誠
(税理士)

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