相続税申告(相続が発生した方へ)

相続税申告事例 第11回-私道として利用されている土地の評価は?

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相続税は、相続開始時点の現預金、株式、家屋、土地といった相続財産の評価額を算定し、その総額が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の数)を超える場合、原則、相続開始後10か月以内に、税務署に申告を行う必要があります。

相続財産の中で、一番のウェイトを占めるのが「土地」です。土地は、評価がとくに難しいために、判断が分かれることも少なくありません。そのため、土地の評価額を適正に算定できるかが、適正申告のカギとなります。

S県K市にお住いの藤原様(仮名)は、3か月前にお母様を亡くされ、ご自宅を相続されました。自分で申告することを検討していましたが、土地評価でつまづき、ホームページから当グループの存在を知り、申告業務をお任せいただけることとなりました。

今回、相続税の減額対象となったのは「私道の評価」です。財産評価基本通達によれば、私道には、①「通り抜け道路」のように不特定多数の者が通行する公共の用に供されるものと、②「行き止まり道路」のように専ら特定の者の通行の用に供されるものがあります。①の場合、その私道は評価対象外となり、課税されません。②の場合、その宅地が私道でないものとして路線価方式または倍率方式によって評価した価額の30%相当額で評価するとしています。

また、所有者だけが専用利用している路地状敷地については私道に含めず、隣接する宅地とともに1画地として評価します。路線価方式による場合、私道の価額は、その私道が接する正面路線価、またはその私道に設定された特定路線価をもとに評価するとされています。

評価単位を3つに分ける

現地調査、役所調査を行う中で、お母様が所有されていた自宅は、敷地の一部が私道として利用されていることが分かりました。その部分は「通り抜け道路」と「行き止まり道路」の一部をなしています。

そのため、まず自宅敷地と道路として利用されている部分を切り離して評価することが必要であり、さらに「通り抜け道路」と「行き止まり道路」のそれぞれの部分では、道路の利用者が異なると考えられることから、前者についてはA土地、後者についてはB土地と、それぞれ別個に評価するのが適当と考えられました(自宅敷地はC土地とする)。

前述の財産評価基本通達によれば、A土地は評価対象外(ゼロ円)、B土地は自用地として評価した場合の30%の評価額となります。これらのことを考慮して土地の評価額を求め、現預金や株式などの評価も行って申告書を作成し、税務署に提出しました。

相続税申告・私道として利用されている土地の評価、説明

今回の申告作業をご自身でされた場合、私道の一部となっている土地と自宅敷地を一体評価して申告してしまったかもしれません。その場合、自宅敷地の評価額は、当グループによる評価額より約850万円上がり、約170万円も余計に相続税を支払っていた可能性があります。

相続税申告・私道として利用されている土地の評価、計算式

当グループでは相続専門税理士と相続に強い不動産鑑定士との協働により、適正申告を実現することが可能です。

今回のポイント

私道は、通り抜けているか、行き止まりかで評価が大きく変わる。気になる土地をお持ちの方は、一度、専門家に意見を聞いてみよう。

―この記事を書いた人―

藤宮 浩(ふじみや ひろし)(不動産鑑定士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)代表
株式会社フジ総合鑑定 代表取締役

埼玉県出身。平成7年宅地建物取引主任者資格試験合格。平成16年不動産鑑定士試験合格および登録。平成24年ファイナンシャルプランナーCFP登録。主な著書に税理士・髙原誠との共著『日本一前向きな相続対策の本』(平成27年現代書林)、不動産鑑定士・小野寺恭孝との共著である『これだけ差が出る 相続税土地評価15事例 基礎編』(平成28年クロスメディア・マーケティング)、『現地調査・役所調査からみえてくる、相続税土地評価の減額要因』(令和元年税務経理協会)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。雑誌『家主と地主』への寄稿は70回を超える。

藤宮浩不動産鑑定士
藤宮浩
(不動産鑑定士)

髙原 誠(たかはら まこと)(税理士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)副代表
フジ相続税理士法人 代表社員

東京都出身。平成17年税理士登録。平成18年税理士・吉海正一氏とともにフジ相続税理士法人を設立、同法人代表社員に就任。相続に特化した専門事務所の代表税理士として、年間約700件の相続税申告・減額・還付業務を取り扱う。不動産鑑定士の藤宮浩と共著あり(詳細は藤宮のプロフィールを参照)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。

髙原誠税理士
髙原誠
(税理士)

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