相続税申告(相続が発生した方へ)

相続税申告事例 第4回-土地の現地調査と役所調査の重要性

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相続税は、相続開始時点の現預金、株式、家屋、土地といった相続財産の評価額を算定し、その総額が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人の数)を超える場合、原則、相続開始後10か月以内に、税務署に申告を行う必要があります。

相続財産の中で、一番のウェイトを占めるのが「土地」です。土地は、評価がとくに難しいために、判断が分かれることも少なくありません。そのため、土地の評価額を適正に算定できるかが、適正申告のカギとなります。

現地調査と役所調査で減額要素を発見

都内T市在住の堀河様(仮名)は半年前にお父様を亡くされ、複数の不動産を相続されました。自分で申告することを検討していましたが、土地評価でつまづき、雑誌記事から当グループを知り、申告業務をお任せいただくことになりました。

今回は、現地調査や役所調査をきちんと行ったことにより、適正な土地評価ができた事例です。土地の評価額を決める要素は、図面など机上の資料だけでは気づけないこともたくさんあります。

相続税申告・現地調査・役所調査、評価対象地

現地調査を行ってみると、相続した不動産のひとつである畑が、道路よりも約1m低い位置にあることがわかりました。これは、地図や登記簿を見ただけでは気づかなかったことです。この畑は住宅地の中にあるのですが、例えばその畑を宅地として売却する場合、土砂で埋め立てて地上げする「土盛り(どもり)」や、埋め立てた土砂が崩れるのを防ぐために擁壁(ようへき)を組む「土止め(どどめ)」といった宅地造成を行うことが予想されます。そのため、それらにかかる費用を評価額に反映する必要があります。

次に役所調査を行うと、畑の一部が「都市計画道路予定地」(※)にかかっていることが判明しました。予定地の区域内にある土地は、利用に一定の制限を受けることから、これも土地の評価額が下がる要因となります。

これらのことから、高低差と都市計画道路予定地を考慮した評価減を行い、預貯金や株式などの評価も行って申告書を作成し、税務署に提出しました。

今回の申告作業をご自身でされた場合、現地調査と役所調査を省略して的確な評価減を行わないまま申告してしまったかもしれません。その場合、畑の評価額は、当グループによる評価額より約660万円上がり、約260万円も余計に相続税を支払っていた可能性があります。

(※)都市計画道路予定地…都市計画によって、将来、道路の新設や拡張が計画されている土地のこと。都市計画道路予定地の区域内にある土地は一定の建築制限を受けるなど、土地の利用に制限がかかるため、相続税申告における評価上、一定の減額補正をすることができる。

相続税申告・現地調査・役所調査、計算式

当グループでは相続専門税理士と相続に強い不動産鑑定士との協働により、適正申告を実現することが可能です。

今回のポイント

現地調査や役所調査をすることで減額要素が見つかることがある。気になる土地をお持ちの方は、一度、専門家に意見を聞いてみよう。

―この記事を書いた人―

藤宮 浩(ふじみや ひろし)(不動産鑑定士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)代表
株式会社フジ総合鑑定 代表取締役

埼玉県出身。平成7年宅地建物取引主任者資格試験合格。平成16年不動産鑑定士試験合格および登録。平成24年ファイナンシャルプランナーCFP登録。主な著書に税理士・髙原誠との共著『日本一前向きな相続対策の本』(平成27年現代書林)、不動産鑑定士・小野寺恭孝との共著である『これだけ差が出る 相続税土地評価15事例 基礎編』(平成28年クロスメディア・マーケティング)、『現地調査・役所調査からみえてくる、相続税土地評価の減額要因』(令和元年税務経理協会)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。雑誌『家主と地主』への寄稿は70回を超える。

藤宮浩不動産鑑定士
藤宮浩
(不動産鑑定士)

髙原 誠(たかはら まこと)(税理士)
フジ総合グループ(フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定)副代表
フジ相続税理士法人 代表社員

東京都出身。平成17年税理士登録。平成18年税理士・吉海正一氏とともにフジ相続税理士法人を設立、同法人代表社員に就任。相続に特化した専門事務所の代表税理士として、年間約700件の相続税申告・減額・還付業務を取り扱う。不動産鑑定士の藤宮浩と共著あり(詳細は藤宮のプロフィールを参照)。セミナー講演、各種媒体への出演、寄稿多数。

髙原誠税理士
髙原誠
(税理士)

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