相続税対策(生前対策をお考えの方へ)

海外赴任パック(東京事務所のみ取り扱い 7万円~)

q04海外転勤が決まりました。空き家にしておくと家が傷むそうですし、住宅ローンの支払もあるので海外赴任中は自宅を不動産管理会社に貸す予定です。この家賃収入について税金はどうなるのでしょうか。

a04海外赴任中は税務上「非居住者」として取り扱われます。固定資産税等は従来どおり課税されます。所得税は国内源泉所得に対してのみ課税されます。家賃収入は国内源泉所得である不動産所得です。住民税は課税されません。

 

【1】非居住者に対する課税

1.固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は資産を保有していることにつき課税される税金ですので居住者でも非居住者でも課税は変わりません。

2.所得税

①不動産所得について
非居住者は国内源泉所得について課税されます。国内源泉所得とは日本国内で発生した所得(もうけ)のことです。したがって国外での勤務による給料は国外源泉所得ですので日本の所得税は課税されません。
日本国内にある不動産を賃貸した場合には、この家賃収入は不動産所得に該当し国内源泉所得ですので日本の所得税の課税対象です。確定申告をする義務があります。

②住宅ローン控除について
その年12月31日において住宅ローンの対象である住宅に居住していない場合にはその年分について住宅ローン控除の適用はありません。
また12月31日において住宅ローンの対象である住宅に居住している場合であってもその年中においてその住宅を賃貸していた場合にはその年分について住宅ローン控除の適用がありません。
したがって海外赴任の問ずっと自宅を賃貸している場合には赴任中と帰国の年には住宅ローン控除の適用はありませんが、帰国の翌年が適用期間内でありかつずっとその住宅に居住している場合、手続きをきちんと行えば翌年から残りの適用期間分は住宅ローン控除の適用を受けることができます。
例えばローン控除の適用期間が10年間の場合に4年目で海外赴任になり7年目で帰国した(7年目の途中まで賃貸)としましょう。住宅ローン控除は4年目から7年目までは適用されませんが、8年目から10年目は適用があります。
このように転勤で居住しなくなりその後再度住宅ローン控除の適用を受けるためには、転勤で住まなくなる時点において税務署に届出が必要です。忘れずに提出しましょう。

3.住民税

その年1月1日において居住していない場合には住民税が課税されませんので実質的に非居住者になってから生じた不動産所得について住民税は課税されません。

【2】出国までに提出すべき届出

1.固定資産税・都市計画税

・提出先は市区町村税務課(東京23区は都税事務所)です。

納税管理人の届出をします。納税管理人とは課税当局からの連絡を本人に取り次ぐ人です。資格は不要ですので日本国内に居住する人なら誰でも納税管理人になることができます。一般的には親族に依頼することが多いです。

・税金の納付について現金納付をしている場合には振替納税の手続きをします。税金の納付は銀行口座等からの自動引き落としになり引き落とし回数を年1回か年4回かを選べます。毎年4月から6月(地方自治体によって異なる)に納税管理人に課税明細書が送付され税金の金額が通知され、その後指定口座からの引き落としになります。

2.所得税

・提出先は、自宅を賃貸する場合にはその賃貸する不動産の所在地を所轄する税務署です。

・納税管理人の届出をします。地方税(固定資産税等)と国税(所得税等)は別の役所が取り扱っており連絡がないのでそれぞれに提出する必要があります。

・「預貯金口座振替依頼書」を提出します。
これを提出すれば確定申告書に記載した金額が登録した口座から自動引き落としされます。通常所得税の納付期限は3月15日ですが振替納税は4月中旬の引き落としになりますので現金納付より1ヶ月ゆとりがあります。

「個人事業の開廃業等届出書」を提出します。
不動産を賃貸するということは不動産賃貸業を開始することになります。

「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。
貸家が一軒の場合でも青色申告が有利です。簡易帳簿をつけるだけで黒字の場合には青色申告特別控除額10万円の適用を受けることができます。赤字の場合には青色欠損金の繰越控除の適用があり3年間青色欠損金を繰り越すことができるため帰国後の所得と相殺して所得税・住民税を安くする効果が期待できます。

「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を提出します。
帰国後に住宅ローン控除の再適用を受けるために予めこの届出書を提出しておくことが必要です。「年末調整のための住宅借入金等の特別控除証明書」及び「給与所得者の住宅借入金等の特別控除申告書」の交付を受けている場合には未使用分を届出書と一緒に返却します。
なお適用期間中に海外赴任が終了し再度適用を受けるためにはもう一度確定申告をする必要があります。

【3】確定申告

①提出期間・提出先
一般の人と同じく翌年2月16日から3月15日までの期間が確定申告書の提出期間です。
貸し付けている住宅の所在地の税務署に提出しましょう。

②税率
一般の人と同じ超過累進税率です。

③源泉徴収
非居住者が法人又は個人事業者に不動産を賃貸する場合には家賃収入の20%が源泉徴収税額として差し引かれます。つまり家賃収入から源泉徴収税額・管理手数料・修繕費などを差し引いた残りが不動産管理会社から振り込まれる金額になります。
この源泉徴収税額の性格は税金の前払いです。確定申告により最終的に算出された税額が源泉徴収税額より多い場合には差額を追加で納付し、最終的に算出された税額が源泉徴収税額より少ない場合には差額が還付されます。
住宅ローンがある場合には総収入金額より必要経費のほうが多くなり納付ではなく還付となる可能性が高いです。

④所得計算
不動産所得の計算は一般の人と同じです。総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
総収入金額は家賃・礼金・権利金・更新料・敷金の内賃借人に返還しなかった金額などです。必要経費は住宅の減価償却費・住宅ローンの返済の内支払利息部分・固定資産税都市計画税・管理手数料・修繕費などです。
住宅の減価償却費は自分が住んでいた期間は対象になりません。貸付期間のみが対象です。また退去があり空き家になっていても募集をしていればその期間の減価償却費を計上できます。所得税は必要経費に算入できません。
青色申告を選択している場合には、前述の通り、総収入金額から必要経費を差し引いた金額がプラスである場合には10万円(プラスの金額が10万円より少ない場合にはその金額)の青色申告特別控除額を控除して所得金額を求めます。マイナスの場合にはマイナスの金額が青色欠損金として次年度に繰り越すことができます。
青色申告を選択しない場合には白色申告になります。青色決算書ではなく収支内訳書を作成します。特別控除額はありません。所得がマイナスの場合にも次年度に繰り越すことはできません。

⑤所得控除
④の計算結果がプラスの金額である場合にはそこから所得控除額を差し引いて課税所得金額を求めます。非居住者期間について認められる所得控除は雑損控除・寄附金控除・基礎控除のみです。通常の場合には雑損控除と寄附金控除は発生しませんので、基礎控除38万円(④の計算結果が38万円より少ない場合にはその金額)を差し引くことになります。

⑥納付又は還付
⑤の計算結果に所得税の速算表をあてはめ税額を計算しそこから③の源泉徴収税額を差
し引いて納付税額または還付税額を求めます。
納付の場合には「預貯金口座振替依頼書」を提出していれば確定申告書に記載した金額が4月中旬に口座から自動引き落としされます。還付の場合には確定申告書に銀行口座等を記載することにより還付金がその口座に振り込まれます。

【4】終わりに

今回は海外転勤で自宅を賃貸する場合を取り上げましたが、納税管理人・源泉徴収・住民税を除けば、国内転勤で自宅を賃貸する場合も大まかな流れはほぼ同様になります。誰にとっても転勤が決まってからの時間は慌ただしいものです。
そういう状況下において、適切に処理を行うには、当該手続きに手慣れた税理士事務所に依頼されるのが最も確実と思われます。
フジ総合グループでは、当該手続きを年間7万円(税別)からのお手頃価格で承ります。

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