役所調査で意識したいポイント

役所調査は専門用語が飛び交うため、苦手意識を持つ先生方もいらっしゃると思いますが、土地評価でこの過程を省くことはできません。

なんとなく敷居の高い役所調査をスムーズに進めるために、意識しておきたいポイントをまとめました。

▼役所調査の前にやっておくべき現地調査について知りたい先生はこちらをご覧ください。

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役所調査をスムーズに進めるために意識したい3つのポイント

  • 行くべき課を事前に調べておく
  • 必要に応じて委任状を持参する
  • メモしやすいように調査シートを用意しておく

行くべき課はできるだけ事前に調べる

調査事項によっては担当窓口が別棟や離れた場所に所在していることもあるため、事前にインターネット等で調べておくと効率的に回れます。

どの担当課に行けばいいか分からない場合は総合案内所で尋ねます。

道路課、都市計画課、建築指導課、開発指導課は混雑することが多く、また午後は職員が現場に出ていることもあるため、午前の早い時間がお勧めです。

なお、役所によっては昼休憩時に窓口業務を開鎖するところもあります。

遠方に出向く場合は、現地調査と役所調査を同日に行うことが多いため、段取りは重要です。

冬場は日が落ちるのが早く、現地調査にかけられる時間が短くなりますので、役所の開庁・閉庁時間もふまえて時間配分を調整しましょう。

担当窓口の一覧

調査事項に対応する担当課をまとめました。

課の名称は自治体により異なるため、例としてご覧ください。

項目調査事項・資料の名称担当課の例
固定資産税・固定資産税課税台帳
・名寄帳
・固定資産税評価証明書
・公図
・近傍宅地(農地・山林等)の1㎡当たりの単価
資産税課、固定資産税課、税務課、課税課、納税課、都税事務所  
道路・道路台帳平面図
・道路境界確定図
・道路法上の道路種別
・路線番号
・認定(管理)幅員
・官民境界査定(査定図)
道路課、道路管理課、管理課、土木管理課、道路維持課
都市計画・都市計画図
・都市計画施設
・都市計画証明
・区域区分
・用途地域
・地区計画
・容積率、建ぺい率
都市計画課、まちづくり政策課、建築調整課、建築課、計画課、都市政策課
建築・建築計画概要書
・建築基準法上の道路種別
・建築制限
・容積率低減係数(基準容積率)
・位置指定道路図面
建築指導課、建築課、建築審査課、建築調整課、建築指導事務所、建築開発審査課、建築安全課、審査指導課
開発・開発指導要綱
・開発登録簿
・市街化調整区域における宅地開発の可能性
・要件
・分譲時の最低敷地面積
開発指導課、開発審査課、都市計画課、建築調整課、開発調整課、市街地整備課、都市整備課、住宅課、宅地審査課  
土地区画整理事業・区画整理事業の進捗
・仮換地指定通知
・仮換地の使用収益開始日の通知
・仮換地位置図、仮換地案内図 (重ね図)
・仮換地明細図、仮換地指定図
区画整理課、都市計画課、管理課、まちづくり推進課、市街地整備課、土地区画整理事業組合  
土壌汚染・土壌汚染の有無
・土壌汚染対策法
・下水道法
・その他環境条例等との関係
環境課、環境保全課、環境推進課、環境対策課、環境改善課、土壌環境課
埋蔵文化財・周知の埋蔵文化財包蔵地所在地図
・過去の試掘
・本掘履歴  
教育委員会、文化財課、文化課、生涯学習課、社会教育課  
農地 (生産緑地)・生産緑地指定
・主たる従事者証明書
農業委員会、都市農業課、農地課、産業経済課、農地調整課、都市計画課  
宅地造成・土砂災害警戒区域(イエロ一ゾーン)
・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
都市計画課、開発指導課、まちづくり課、防災安全課  
上下水道 (埋設管)・上水道埋設管図
・下水道埋設管図
水道局、上水道課、下水道課

必要に応じて委任状を持参する

個人情報の関係で委任状がなければ聴取できない事項もありますので、事前に電話等で確認し、必要に応じて相続人等の委任状を持参します。

道路台帳や開発登録簿は誰でも閲覧することが可能ですが、名寄帳や区画整理事業等の個人情報に関する資料は委任状が求められることが多いようです。

不明点は遠慮せずに聞き返し、素早くメモする(調査シートDLはこちら)

都市計画法や建築基準法の基礎知識は最低限身に着けておくことをお勧めしますが、職員の回答に不明点がある場合は遠慮せず聞き返しましょう。

また、例えば都市計画課で「用途地域を教えてください」と尋ねると、用途地域だけでなく容積率、建ぺい率、高度地区等々の都市計画情報を一度に教えてくれることがほとんどです。

調査漏れを防ぎ、必要な情報を取捨選択できるよう、調査シートを作っておくとよいでしょう。

調査シートの見本を添付しております。役所に持参するファイルに挟んでお使いください。

容積率またがり等、地図上に直接書き込んだ方が分かりやすいものもあります。

役所調査の聴取結果の記入

迷ったら、現地調査を先に行う

ところで、「現地調査と役所調査のどちらを先に行うべきか」という疑問もよく聞かれます。

例外もありますが、先に現地調査を行う方が効率的なことが多いようです。

現地では資料から読み取れない情報を得ることが多々ありますが、現地調査だけで明確な答えに行きつくことはほとんどなく、役所調査で情報を補完して初めて結論が出ることが多いからです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

役所調査に苦手意識を持たれる方は多いのですが、どこに行き、何を質問すべきか分かっているだけで、肩の力が抜け、的確なヒアリングを行うことができるようになります。

因みに、フジ総合グループでは、不慣れなスタッフにベテランのスタッフが同行し、効率的な調査方法を身に着けていきます。

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