地主様・不動産オーナー様のための 円満相続コラム

フジ総合グループの代表者5名による
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よくあるご質問、相続あれこれQ&A (2)

今回も、前回に引き続き、「相続あれこれQ&A」と題して皆様から寄せられた相続に関する素朴な疑問にお答えしていきます。

今回ピックアップするのはこちらの4つ。

Q1.相続税はどのような財産にかかるのですか?
Q2.相続税の申告をしないとどうなりますか?
Q3.相続税はなぜ納めないといけないの?
Q4.そもそも“相続”って何?

早速1つ目の質問から参りましょう。

Q1.相続税はどのような財産にかかるのですか?

A.まず、一般的な〝財産〟のイメージと合致するものについては、その通り、課税対象になると考えていただいて結構かと思います。
つまり現金・預金をはじめ、社債・株式などの金融商品、不動産、宝飾品、美術品、債権などですね。

それに加えて、被相続人が保険料を負担していた生命保険などの「みなし相続財産」(Q4でご説明します)や、相続開始前3年以内に受けた贈与も課税価格に含めます。これらは相続税法特有の〝財産〟といえます。

一方、債務やお葬式の費用などは、マイナスの財産として相続財産から差し引くことができます。またお墓等、相続税の対象にならない非課税財産もあります。

Q2.相続税の申告をしないとどうなりますか?

A.相続税の申告義務があるにもかかわらず、相続税の申告をしない。これは問題ですね。
申告義務のある税金の申告をしないでいると、税務署から「お尋ね」文書が届き、申告義務の有無について聴取されます。そしてやはり申告義務があるとなりますと、税務署から申告を勧奨されます。

その勧奨に応じて申告すればよいのですが、その際、本税のほかに、延滞税等の罰金が課せられます。勧奨にも応じず、放っておくと〝決定〟と呼ばれる税務署からの税金の納付命令が下ります。

さらにこれを放置すると刑事罰に発展することもあります。そんな事態になってしまう前に、税金の申告義務がある場合には必ず申告をしてくださいね。

Q3.相続税はなぜ納めないといけないの?

A.お金持ちの子は必ずお金持ち。これはズルいですよね。これが、国が国民に相続税(税金)を課す一番の理由です。
つまり、固い言葉でいえば「富の再分配」を目的としています。国を経由させて、富(お金)を国民に再分配するわけですね。

さらに相続税特有の考え方として、「被相続人の生涯所得の清算」という観点もあります。つまり、「亡くなった人は裸一貫で生まれてきて、所得税などの税金を含むいろいろな経費を払ったにもかかわらず、不動産などの財産を残すことができた。そこで人生最後の所得税の清算として相続税がかかる」という考え方です。

いずれにしても税金は「租税法律主義」(何人たりとも法律の根拠がなければ税金を課税されない)という考え方で課税されます。

ちなみに相続税は、明治38年に日露戦争の戦費調達のために創設された税金、ということをご存じでしょうか? 実は、設立されてからすでに100年を超えている税金なのです。

Q4.そもそも“相続”って何?

A.何が受け継がれ、また受け継がれないかが法律面から考える〝相続〟といえますが…。
相続という言葉を辞書で調べてみますと、「①跡目などを受け継ぐこと。②死亡した人がもっていた財産上の権利・義務を包括的に受け継ぐこと」とあります。

また、「相続」について管轄している法律(=民法)にはこのように書いてあります。「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」(民法896条)

辞書や民法、いずれにも「財産上の~」とか「財産に属した~」というように〝財産〟という言葉が入っていますね。その〝財産〟の範囲については、Q1ですでに触れましたが、実は保険などに代表される一部の財産については、民法上の財産には含まれていません。

例えば生命保険金は、保険契約に基づいて、人の死亡により保険会社から保険金受取人に対して支払われるものですから、死亡した人から直接相続人に支払われるものではありません。よって、相続する財産(民法上の財産)には含まれていないのです。

しかし、相続税法上は違います。生命保険金も相続に伴って発生するものに変わりはありませんので、被相続人(亡くなった方)が保険料を負担していた保険金は、相続税法上、「みなし相続財産」として相続税を課しています。このように、相続という事象と〝財産〟は切っても切れないものですが、法律により微妙に扱い方が異なるという、少々ややこしい面があります。

また、前述の民法の規定で「ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」という表現があります。これは何を意味しているのでしょうか?わかりやすい例をあげると、車の運転免許はそれを保有する個人にのみ属するものです。このような、被相続人自身の資格や技能のようなものについては、相続人に承継されることはありません。

以上のように、何が受け継がれ、また受け継がれないかが法律面から考える〝相続〟といえますが、私が考える相続の定義は少々違います。
私が考える相続とは…

相続とは、亡くなられた方の生涯の清算であるとともに、相続する人、あるいはさらにその先で相続する家族の新たな人生のスタートである。

フジ総合グループでは、そのサポートを全力で行っていきたいと考えています。

 

この記事を書いた人

税理士
髙原 誠(たかはら・まこと)

フジ相続税理士法人 代表社員

東京都出身。平成17年 税理士登録、平成18年 フジ相続税理士法人設立。
相続に特化した専門事務所の代表税理士として、不動産評価部門の株式会社フジ総合鑑定とともに、年間約800件の相続税申告・減額・還付案件に携わる。
不動産・保険等への造詣を生かした相続実務に定評があり、プレジデントや週刊女性など各種媒体への寄稿・取材協力も多数行う。
平成26年1月に藤宮浩(株式会社フジ総合鑑定 代表)との共著となる初の単行本『あなたの相続税は戻ってきます』(現代書林)を出版。
平成27年7月に第2弾となる『日本一前向きな相続対策の本』(現代書林)を出版。
平成30年4月に第3弾となる「相続税を納め過ぎないための土地評価の本」(現代書林)を出版。