電車による騒音を調査!260万円の相続税還付に|事例

依頼者 千葉県 山本様(仮名)
依頼内容 きっかけは、当グループ主催の相続税還付セミナー。セミナーでの講演内容に触発され、相続税の見直しをお任せいただけることになりました。
減額要因 電車による騒音が評価に織り込まれていなかった。
財産評価基本通達で騒音の甚だしい土地は、「利用価値が著しく低下している宅地」として、評価額を10%減できる可能性があります。評価対象地は電車の騒音が甚だしいにもかかわらず、それが評価に反映されていませんでした。

山本様は、千葉県にいくつかの地所をお持ちの地主様で、これらはお母様から2年前に相続されたものです。
相続税の申告は顧問税理士の先生にお願いされ、約4,000万円の相続税を納められました。

あるとき、当グループ主催の相続税還付セミナーを聴講され、「相続税は申告期限後5年以内であれば、土地の再評価を適正に行うことで還付を受けられる可能性がある」という講演内容に興味がわいたことから、相続税の見直しをお任せいただけることになりました。

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利用価値が著しく低下している土地

今回のケースでポイントとなったのは、「電車による騒音」です。
一般に、騒音や震動は、住環境にとってはマイナス要素です。
電車の往来の激しい線路に近いことは、その土地の取引価格にも負の影響を及ぼすと考えられます。

同じように、相続税の土地評価では、「騒音・震動が甚だしい」など、付近に比べてその利用価値が著しく低下していると認められる宅地は、その評価額の10%を控除することができるとされています。
ただし、路線価がその減額要素を考慮したうえで付されている場合には適用できません
また、その要因が土地の価格にどれほどの影響を及ぼすのかといったことも考慮したうえで、減額が適用できるかどうかが判断されます。

「騒音」が気になる土地

私たちは山本様のご自宅に伺い、土地評価資料を拝見しました。
資料では必要な要素が盛り込まれ、目立った減額要素はないように見えます。
次に、各土地に出向き、調査を行いました。

その中で気になったのは、鉄道の線路に接している土地(A土地)。
A土地に立つと、調査時には5分に1回という高頻度で電車が通過し、「騒音」が気になりました。

当初の申告では、騒音という減額要素は評価に織り込まれていなかったことから、私たちは、評価減が見込めることを山本様に伝え、A土地についてさらに調べることにしました。

騒音を考慮した土地評価へ

路線価図によると、A土地の正面路線は、鉄道に対し直交する道路です。
A土地はこの道路に付された路線価に、土地の面積がかけられて評価されていました。
この路線価は、鉄道から相当程度、離れた場所でも同一の価額となっていて、鉄道による騒音が考慮されているとはいえません。

実際、騒音計を使った現地調査では、A土地は、電車が通ったときの騒音が80デシベル以上なのに対し、同じ道沿いにある、線路から離れたご近所様の土地では、騒音は60デシベル以下を計測。
線路周辺の路線価に、騒音という要素が加味されていないことは明らかでした。

こうした調査をもとに作成した意見書を税務署に提出して更正の請求を行ったところ、評価額は約640万円下がり、税額で約260万円の還付が認められたのです。
今回の請求によって、還付を受けられた山本様には大変喜んでいただくことができました。

※「広大地評価」は、2017年12月31日以前に相続が起こった方の還付手続きに適用が可能です。2018年1月1日以降に相続が起こった方の還付手続きには「地積規模の大きな宅地の評価」が適用されます。詳しくは下記のコラムをご覧ください。

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面積が一定以上の宅地では、「地積規模の大きな宅地の評価」を適用することで、単純に路線価×地積で計算した評価額と比較して、約6~8 割の評価額に減額することができます。

今回のポイント

以下の宅地は、「利用価値が著しく低下している宅地」として、評価額を10%減できる可能性がある。

  • 道路との高低差が著しい
  • 騒音・震動が甚だしい
  • 地盤の凹凸が甚だしい
  • 日照阻害、臭気、忌み等がある

「利用価値が著しく低下している宅地」であっても、そのことが「路線価」に織り込まれている場合には、評価減を行うことはできない。
土地が持つ個別的な特徴は、土地評価の専門家によるチェックを受けて初めてわかることも多い。

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藤宮 浩(不動産鑑定士)
フジ総合グループ代表 藤宮 浩(ふじみや ひろし)不動産鑑定士 ‖ フジ総合グループの代表を務め、年間990件以上の相続関連案件の土地評価に携わる。相続税還付業務の第一人者として各地での講演を多数行うほか、テレビ、雑誌、新聞など、各種媒体への出演、寄稿も行う。