【マンガで解説】複数の道路が交わる角にある土地の相続税評価

漫画でわかる土地評価 複数の道路が交わる角にある土地の相続税評価
正しい基準で土地評価を行うことによって相続税減額の可能性を示唆している

接道数で決まる土地評価 角地は高価値の判断

一般に、1つの道路にのみ接する土地を「一方路」、正面と側方、2つの道路が交わる角に面する土地を「角地」といいます。
また、正面と裏面で道路に接する土地は「二方路」、3つの道路に接する土地は「三方路」と呼ばれます。
角地、二方路、三方路は、一方路に比べ、通風や日照、出入りの便のよさなど居住の快適性が高いことから、不動産売買などで、より高く取引される傾向にあります。

相続税の土地評価においても、この角地のメリットを「側方路線影響加算」という形で評価額に反映します。

相続税土地評価では、その土地が接する道路の判定を見誤り、本来、一方路なのに角地として、角地なのに三方路として評価されていたりするケースもあります。道路の影響を的確に判断することで土地の評価額が下がり、相続税を安くすることが可能です。

判断基準は接道角度 120度以下が一般的

一口に角地といってもその角度は鋭角のもの、鈍角のものとさまざまですが、相続税評価上、何度から何度までのものを角地というかについて、実ははっきりとした規定がありません。こうした場合に、実務上、判断基準としてよく用いられるのが「建ぺい率の角地緩和」の要件です。

建ぺい率には緩和特例があり、自治体の指定した角地であれば、建ぺい率を10%割り増すことができます。この角地緩和が受けられるかどうかを、角地であるかどうかの判断基準として用いることがあるのです。

具体的な要件は自治体によって異なりますが、そのひとつに角度要件として「それぞれの道路のなす角度が120度以下」を掲げる自治体が多数あります。

『家主と地主』2021年11月号掲載

藤宮 浩(不動産鑑定士)
フジ総合グループ代表 藤宮 浩(ふじみや ひろし)不動産鑑定士 ‖ フジ総合グループの代表を務め、年間990件以上の相続関連案件の土地評価に携わる。相続税還付業務の第一人者として各地での講演を多数行うほか、テレビ、雑誌、新聞など、各種媒体への出演、寄稿も行う。