
相続税は相続財産の評価額をもとに計算されます。
相続財産に土地が含まれる場合、土地の評価次第で相続税額が大きく変動します。
土地は形状や立地、権利関係などによって評価額に差が生じやすく、適切な評価方法と補正の知識が必要です。
本記事では、相続税の土地評価について、計算方法から評価額を下げる節税対策まで、税理士が具体例と共に解説します。
もくじ
土地の価格には4種類ある(実勢価格・公示価格・固定資産税評価額・相続税評価額)
土地の価格には、「一物四価」と呼ばれる4つの指標があり、それぞれ評価する主体・目的・水準が異なります。
相続税の土地評価で使うのは、このうち、「相続税評価額」です。
混同しやすい指標を整理しましょう。
| 価格の種類 | 評価主体 | 用途 | 公示価格に対する水準 |
|---|---|---|---|
| 実勢価格 | 市場 | 売買取引 | 100〜120%程度 |
| 公示価格 | 国土交通省 | 不動産取引の指標 | 100%(基準) |
| 固定資産税評価額 | 市区町村 | 固定資産税・登録免許税等 | 約70% |
| 相続税評価額(路線価) | 国税庁 | 相続税・贈与税の算出 | 約80% |
例えば、公示価格が5,000万円の土地の場合、実際の売買を想定した実勢価格は5,000万〜6,000万円程度、相続税評価額は4,000万円前後、固定資産税評価額は3,500万円前後が一つの目安となります。
このうち、特に混同しやすいのが、「相続税評価額」と「固定資産税評価額」です。
両者は評価する主体も目的も異なる別の指標ですが、後述する倍率方式による相続税評価では、固定資産税評価額に評価倍率を乗じて算出するため、固定資産税評価額が計算の起点となる場合があります。
相続税評価額と固定資産税評価額の違いについて、詳しくは下記記事をご覧ください。
固定資産税評価額と相続税評価額の違いや評価額の調べ方、申告時の注意点、節税の考え方について解説します。
相続税における土地評価額の3つの計算方法(路線価方式・倍率方式・宅地比準方式)
相続税申告に関するアンケートによると、相続財産に含まれていた土地の種類は、以下のような結果となっています(複数選択・最大3つまで)。
- 自宅・居住用の土地(一戸建ての敷地など) 55.4%
- 空き家・実家の土地 38.2%
- 賃貸アパート・マンションの敷地 16.2%
- 農地・山林 16.2%
- 事業用の土地 7.8%
- その他 6.3%
※フジ相続税理士法人調べ(2026年実施・N=204、過去5年以内に土地を含む相続税申告を税理士に依頼した方が対象)
自宅・居住用の土地と空き家・実家の土地を合わせると約93%を占めており、相続される土地の大半は住宅地(居住用宅地)となっています。
相続した土地の価額を計算する際には、その土地がどのような場所に位置しているかによって評価の方式が異なります。
主に、「路線価方式」と「倍率方式」の2つが使い分けられることを覚えておきましょう。
ここでは、それぞれの方式の概要や計算方法について説明します。
また、倍率地域は、例外的に、「宅地比準方式」を用いるケースもあるため、基本の評価方式との違いやその計算方法についてもご紹介します。
路線価方式

「路線価方式」とは、市街地にある宅地を評価する際に採用される計算方法をいいます。
路線価とは、道路に面する標準的な宅地1平方メートルあたりの価額を指し、毎年7月1日に国税庁からその年の1月1日時点の価額が公表されます。
その価額は公示価格の8割程度が目安とされています。
これは、土地の価格変動による課税リスクから納税者を保護するため、安全性を考慮した水準に設定されているためです。
路線価は路線(不特定多数が通行する道路)ごとに定められており、土地の相続税評価額を算定する際は、まず、土地が面している道路の路線価から調べる必要があります。
参考:財産評価基準書|国税庁
路線価方式の計算方法
路線価を確認する際は、国税庁のホームページから、「路線価図・評価倍率表」にアクセスしてください。
都道府県を選択し、路線価図をクリックして住所の詳細を選択します。
路線価方式の計算方法は、次のとおりです。
- 路線価図で対象土地と道路が接している部分の数字(路線価)および記号(借地権割合)を確認
- 図面などを用いて土地の詳細や縮尺を確認し、各種補正率を算定する
- 路線価と地積(土地の大きさ)、各種補正率を乗じる
手順3を計算式で表すと、
土地の相続税評価額=相続税路線価×地積(土地の大きさ)×各種補正率
となります。
また、相続税額の算出方法については、下記の記事で解説しています。
評価額をもとに相続税を計算するまでの流れを知りたい方は併せてご覧ください。
土地の相続税評価額の計算に使用する路線価の調べ方や計算方法、補正率について詳しく解説しています。
不動産を相続した際の相続税の計算方法から、相続が起こってから相続税をできるだけ抑えるための対策まで丁寧に解説しています。
路線価方式で使う主な補正率の種類と適用要件
路線価方式で使われる補正率は、土地の形状や立地条件に応じて評価額を調整するためのもので、主に次の8種類があります。
| 補正率 | 適用要件 | 数値範囲(例) |
|---|---|---|
| 奥行価格補正率 | 奥行が標準より長い・短い土地 | 0.80〜1.00 |
| 側方路線影響加算率 | 角地(2面に接道) | 0.01〜0.10(加算) |
| 二方路線影響加算率 | 表と裏の2面に接道 | 0.02〜0.07(加算) |
| 間口狭小補正率 | 間口(道路接面)が狭い土地 | 0.80〜1.00 |
| 奥行長大補正率 | 奥行が間口の2倍以上ある土地 | 0.80〜1.00 |
| 不整形地補正率 | 不整形地(旗竿地・三角地など) | 0.60〜1.00 |
| がけ地補正率 | 傾斜地を含む土地 | 0.53〜0.96 |
| 地積規模の大きな宅地の評価 | 例)三大都市圏500㎡以上1,000㎡未満 | 規模格差補正率(評価額を約20%減) |
これらの補正率は重ねて適用されるため、複数の条件に該当する土地ほど評価減の余地が大きくなります。
例えば、不整形地でかつ間口が狭い旗竿地などは、複数の補正を重ねた結果、評価額が40%程度下がるケースもあります。
ただし、複数の補正率が絡む計算はステップや判定が複雑になり、補正率の組み合わせによっては国税庁が定める特有の適用制限(限度額等)も存在するため、少しの評価ミスが大きな価額差となる土地の相続税評価については、土地評価に精通した専門家への相談をおすすめします。
路線価方式の計算例
路線価方式の具体的な計算例を、2パターンご紹介します。
- 路線価:30万円/㎡
- 地積:200㎡
- 奥行価格補正率:1.00(普通住宅地区・奥行20m)
- 奥行長大補正率:0.98(普通住宅地区・2以上3未満)
相続税評価額 = 30万円 × 200㎡× 0.98 = 5,880万円
- 路線価:30万円/㎡
- 地積:200㎡
- 奥行価格補正率:0.97(普通住宅地区・奥行25m)
- 不整形地の補正:0.81(前提:間口2m、かげ地割合15%などの間口狭小・奥行長大・不整形地補正等による数値)
相続税評価額 = 30万円 × 0.97× 0.81 × 200㎡ = 約4,714万円
同じ路線価・地積の土地でも、各種補正の適用有無によって約1,166万円(約20%)の評価減となります。
土地評価額の算出では、適用できる補正を漏れなく検証することが、相続税額を抑えるうえで重要なポイントとなります。
倍率方式
「倍率方式」とは、路線価が設定されていない地域(市街化が進んでいない農村部や山林など)にある土地の評価額の計算方法をいいます。
倍率方式では、固定資産税評価額に国税局長が定める評価倍率を乗じることで相続税評価額を求めます。
倍率方式によって相続税評価額を計算する際は、市区町村が発行する固定資産税公課(評価)証明書や、納税通知書に記載されている固定資産税評価額を確認しましょう。
倍率方式については、こちらの記事でも解説しています。
相続した土地を倍率方式で評価する方法や、計算する際の注意点を解説しています。
倍率方式の計算方法
倍率方式の計算方法は、次のとおりです。
- 固定資産税評価額を確認
- 国税庁のホームページで、「路線価図・評価倍率表」を開く
- 都道府県や市区町村を選択し、画面上部の「この市区町村の評価倍率表を見る」を開く
- 固定資産税評価額に評価倍率を掛けて評価額を算出
また、手順4の計算式は、下記のとおりです。
土地の相続税評価額=固定資産税評価額×評価倍率
倍率方式の計算例
倍率方式の具体的な計算例は、次のとおりです。
- 固定資産税評価額:1,500万円
- 宅地の評価倍率:1.1
相続税評価額 = 1,500万円 × 1.1 = 1,650万円
評価倍率は土地の用途(宅地・田・畑・山林など)と地域ごとに異なります。
国税庁の「路線価図・評価倍率表」で対象土地が所在する市区町村を選択し、該当地域の評価倍率を確認してください。
宅地比準方式
市街化区域における宅地以外の土地(農地・山林・原野・雑種地などで宅地開発が可能な土地)や、市街化調整区域における宅地開発が可能な雑種地など「宅地比準方式」という計算方法を用いる場合があります。
これは、市街化が進んだ地域の農地等は、農地等としての価値よりも宅地としての潜在価値が高く、近隣の宅地価額を基準に評価することが実態に即しているためです。
宅地比準方式では、相続税評価額を求めたい土地と類似する近隣の宅地の評価額をベースにして算出します。
宅地比準方式の計算方法
宅地比準方式では、以下の算式を用いて相続税評価額を計算します。
土地の相続税評価額=(当該土地(農地・山林など)を宅地と仮定した場合の1m²あたりの価額– 1m²あたりの当該土地の宅地造成にかかる費用)×地積
当該土地を宅地と仮定した場合の1m²あたりの価額は、当該土地と類似する近隣の宅地の固定資産税評価額をもとに算出します。
宅地比準方式について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
市街化区域における宅地以外の土地は、宅地比準方式を用いて評価額を計算します。適用条件や計算方法、他の評価方法との違いを解説します。
市街化区域における宅地以外の土地は、宅地比準方式を用いて評価額を計算します。適用条件や計算方法、他の評価方法との違いを解説します。
宅地比準方式の計算例
宅地比準方式の具体的な計算例は、次のとおりです。
- 1㎡あたりの価額:5万円/㎡
- 1㎡あたりの宅地造成費:4,000円/㎡
- 地積:500㎡
相続税評価額 =(5万円 – 4,000円)× 500㎡ = 2,300万円
相続税の土地評価が変わる要因

路線価方式・倍率方式・宅地比準方式について前述しましたが、これらの計算方式だけですべての土地の評価額を正確に算出できるわけではありません。
相続税の土地評価は、土地の形状・立地条件・付着する権利によって大きく変動します。
実際の相続税申告経験者を対象に行ったアンケートでは、16.2%の方が、「土地の計算方法によって相続税額が大きく変わる場合があることを、もっと早く知っておけばよかった」と回答されました。
6人に1人が、後から土地評価の重要性を実感しているという結果です。

※フジ相続税理士法人調べ(2026年実施・N=204)
場合によっては、数百万〜数千万円単位で相続税評価額が変わる可能性があるため、その要因について理解しておきましょう。
ここでは、土地の評価額を変動させる3つの要因について解説します。
土地評価額が変わる要因①土地の形状
土地の形状によって評価額が変わる要因として、不整形地補正、間口狭小補正、奥行長大補正、地積規模の大きな宅地の評価などがあります。
旗竿地、L字型、三角地など、整形地(長方形・正方形)以外の土地には、不整形地補正率(0.60〜1.00)を適用します。
地積区分(A〜C)と、「かげ地割合」の組み合わせにより、補正率が決まります。
道路に接する間口が標準より狭い土地には、間口狭小補正率(0.80〜1.00)を適用します。
普通住宅地区の場合、間口8m未満から段階的に補正を適用します。
奥行が間口の2倍以上ある縦長の土地には、奥行長大補正率(0.90〜1.00)を適用します。
三大都市圏で500㎡以上、それ以外の地域で1,000㎡以上の宅地が対象で、「規模格差補正率」を乗じることで評価額を20%以上減額することが可能です。
要件としては、市街化調整区域外、工業専用地域以外、容積率400%(東京23区は300%)未満などがあります。
土地の形状別の事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
間口が狭い土地や間口に対して奥行が長い土地は、評価額の減額補正を適用することができます。 評価方法および注意点について解説します。
面積が一定以上の宅地は、要件を満たすことで約6~8割の評価額に減額することができます。判定の基準や計算方法について解説します。
土地評価額が変わる要因②土地の立地条件
土地の立地条件も相続税評価額を左右する1つの要因です。
例えば、前面の道路幅が4mに満たない宅地や道路に面していない宅地は、減額補正の適用対象となります。
代表的な5つのケースについて減額率や減額となる理由を解説します。
前面の道路幅が4mに満たない宅地
前面の道路幅が4m未満の宅地は、建築基準法の制限により、そのままの状態では基本的に建物を建てることができません。
このような土地に建物を建てる、あるいは建て替える場合は、道路幅4mを確保するために、宅地の境界線を後退させなければなりません。
この法律の制限によって道路幅を確保するために敷地を後退させることを「セットバック」といいます。
セットバック要件を満たす部分については、相続税評価額を70%減額補正して計算することができます。
道路に面していない宅地
道路に面していない土地(無道路地)には、建物を建てることができません。
土地としての利用価値が低いことから、無道路地の相続税評価額は、道路に面した土地よりも大幅に下がる傾向にあります。
無道路地の相続税評価額の計算では、最大で40%減額補正できますが、状況によっては当該評価では対象不動産の時価を適正に反映できていない可能性があるため、不動産鑑定評価を適用できないか、土地の相続税評価に精通した専門家に相談してみるのも一案です。
騒音のある宅地
線路や踏切の周辺宅地は、騒音や振動などのマイナス要素があるため、相続税評価額が下がる傾向にあります。
騒音や振動により、利用価値が著しく低下していると認められた場合には、相続税評価額に10%を乗じた金額を控除できる場合があります。
参考:No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価|国税庁
墓地などの嫌悪施設に隣接する宅地
墓地や工場などは、不動産市場で、「嫌悪施設」といいます。
実害の有無にかかわらず、嫌悪施設の近隣にあることが宅地の価値に著しくマイナスの影響を与えると判定された場合は、相続税評価額に10%を乗じた金額を控除できる場合があります。
崖のある宅地
宅地のうち崖地に該当する箇所は、宅地としての利用が難しいことから利用価値が低いと判定します。
このため崖地が含まれる宅地の相続税評価額を計算する際は、崖地の方角や対象土地に占める割合に応じた減額補正を行います。
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
崖が含まれる宅地は「がけ地補正」を適用して、相続税評価額を減額することができます。がけ地のある方位や、評価対象地の中で占める割合によって補正率が変わってくるため、注意が必要です。
土地評価額が変わる要因③土地に付着する権利
土地に付着する権利により、相続税評価額が大きく左右されるケースもあります。
減額の代表例として3つの権利をご紹介します。
借地権
「借地権」とは、建物の所有を目的として土地に設定された賃借権・地上権をいいます。
(借地借家法2条)
借地権には普通借地権、一般定期借地権、事業用定期借地権などのほか、さまざまな種類があり、種類によって評価額の計算方法が異なります。
計算方法の詳細は、以下の記事を参考にしてください。
貸宅地
「貸宅地」とは、先述した借地権など宅地の上に存する権利の目的となっている宅地の税務上の名称です。
自分で自由に使えない制約があるため、自用地としての価額から借地権割合などを控除して低く評価されます。
なお、建物を建てず、駐車場や資材置き場として他人に貸し付けている場合は、この貸宅地に該当しないため注意が必要です。
貸宅地には、普通借地権の目的となっている宅地や定期借地権の目的となっている宅地などさまざまな種類があり、種類によって評価額の計算方法が異なります。
計算の詳細は、以下のページを参考にしてください。
貸家建付地
「貸家建付地」とは、自己所有の土地に建築した賃貸アパートやマンション、貸家(建物)を他人に貸し付けている場合のその土地をいいます。
例えば、賃貸目的で建築したアパートの敷地は貸家建付地になります。
貸家建付地の相続税評価額は、自用地としての価額から、当該価額に借地権割合、借家権割合、賃貸割合を乗じた価額を控除して算出します。
計算式は、下記のとおりです。
貸家建付地の相続税評価額=自用地としての価額 – (自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
なお、貸家の駐車場の一部を月極駐車場として使用している場合や、長期間空室となっている場合などは、状況や用途によっては貸家建付地と見なされない場合があるため注意が必要です。
賃貸建物の敷地として利用している土地すべてが、貸家建付地として評価できるわけではありません。評価方法と計算する際の注意点について解説します。
土地の評価額を下げるための対策法
相続税の土地評価では、適用できる節税制度を漏れなく活用できているかどうかで、税額が大きく変わります。
アンケートでは、申告経験者の23.5%が、「相続税を減らせる制度(各種特例など)があることを、もっと早く知っておけばよかった」と回答しており、「特になし」を除いた回答の中で特に多く挙げられた声でした。
また、税理士に相続税申告を依頼した方の11.3%が、「相続税を減らせる制度を十分に使えていたか不安が残る」と振り返っています。

※フジ相続税理士法人調べ(2026年実施・N=204)
アンケートの回答にあるとおり、時価と相続税評価額の差異に着目して土地の有効活用を行うことで、相続税の負担軽減につなげられる場合があります。
また、各特例を適用できれば、更に相続税の負担を減らすことができます。
ここからは、土地の有効活用や特例適用を活用した節税対策を見ていきましょう。
土地の評価額を下げる相続税対策①土地の有効活用
土地を活用せずに保有しているだけの状態(更地のまま)では、自用地として満額で評価します。
一方で、土地を貸したり、土地の上に貸家を建築したりすることで、借地権・借家権などの権利関係が発生し、その分だけ相続税評価額を下げることができます。
代表的な活用方法として、土地を他人に貸して、「貸宅地」とする方法と、土地の上にアパートなどを建築して、「貸家建付地」とする方法があります。
それぞれの仕組みについて、以下で解説します。
貸地にする
土地を第三者に貸し出す契約(土地賃貸借契約)を結ぶことで、相続税評価額の算出時に土地の利用価値を通常よりも低く見積もるため、結果的に相続税を抑えることができます。
土地の貸し付け目的(建物所有かそれ以外か)や賃貸借期間、権利金、賃料、そのほかの条件などを含む契約内容には十分注意し、更に相続税がいくら軽減されるのかシミュレーションを慎重に行ったうえで賃貸借契約を結ぶのがよいでしょう。
アパートなどを建築する
土地に賃貸アパートやマンションを建築すると、土地は、「貸家建付地」として評価し、土地と建物の両方で評価額を下げる効果が得られます。
自用地評価額 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
家屋も固定資産税評価額をもとに評価するため、現金で保有する場合と比べて相続税評価額が低くなる傾向があります。
賃貸用物件の建築に際しては、賃貸需要、建築代金、賃料の推移、修繕計画、建物管理契約などを十分に考慮しておく必要があります。
相続税の軽減額をシミュレーションする際は、節税だけに気を取られず、遺産分割がしやすい状態であるかどうか、納税資金が足りる状態であるかどうか、賃貸収入に対して借入金額等が適正で賃貸経営が成り立つか、対策の軸になっている家族が認知症になっても問題ない状態であるかどうかといったことにも配慮しておくとよいでしょう。
土地の評価額を下げる節税対策②土地の評価減となる特例の利用

土地の相続税評価額を下げるもう一つの方法が、評価減につながる特例の活用です。
相続税の特例にはさまざまなものがありますが、土地の評価額に直接影響するものとして特に重要なのが、「小規模宅地等の特例」です。
小規模宅地等の特例には4つの区分があり、それぞれ減額割合と適用面積の上限が異なります。
| 区分 | 減額割合 | 適用面積上限 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 80% | 330㎡ | 被相続人の自宅敷地 |
| 特定事業用宅地等 | 80% | 400㎡ | 被相続人の事業用敷地(不動産貸付業を除く) |
| 特定同族会社事業用宅地等 | 80% | 400㎡ | 被相続人が支配する同族会社の事業用敷地 |
| 貸付事業用宅地等 | 50% | 200㎡ | 貸家・貸地などの不動産貸付用敷地 |
特定居住用宅地等と特定事業用宅地等は併用が可能で、最大730㎡(330㎡+400㎡)まで80%減額の適用を受けることができます。
例えば、被相続人の自宅敷地(特定居住用宅地等)に該当する300㎡の土地で、自用地評価額が6,000万円だった場合、80%減額の適用により、相続税評価額は1,200万円まで圧縮できます。
土地評価額に与えるインパクトが大きい制度のため、要件への該当の有無は丁寧に確認することが重要です。
なお、適用にあたっては取得する相続人によって要件が細かく定められているため、ケースに応じた個別判定が必要となります。
以下、代表的な2つの適用ケース(居住用・事業用)について解説します。
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
小規模宅地等の特例を利用することで、土地の相続税評価額を最大で8割も下げられる可能性があります。適用要件や必要書類、計算方法について解説しています。
被相続人などの居住用として利用していた土地の場合
相続した土地が特定居住用宅地等に該当する場合、330m²を上限として80%の評価減が可能です。
亡くなった方と同居していた親族が土地を相続して住み続ける場合などに適用可能です。
なお、配偶者が取得する場合は同居要件・居住継続要件がなく、無条件で適用を受けられます。
また、被相続人に配偶者・同居親族がいない場合に限り、別居している親族(いわゆる「家なき子」)も、一定の要件を満たせば適用対象となります。
事業用宅地等として利用されていた土地の場合
相続した土地が貸付事業以外の事業用宅地等に該当する場合、400㎡を上限として80%の評価減が可能です。
自宅として使っていた居住用の土地(特定居住用宅地等)と自営の店舗や事務所などに使っていた事業用の土地(特定事業用宅地等)について両方の要件を満たせば、完全併用により最大で合計730 m²まで特例を適用できます。
ただし、貸付事業用宅地等を併用する場合は、面積調整計算が必要となり、完全併用とはなりません。
相続した土地が貸付事業用宅地等に該当する場合、200㎡を上限として50%の評価減が可能です。
| 区分 | 対象面積 | 減額割合 |
|---|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 330㎡まで | 80% |
| 特定事業用宅地等 | 400㎡まで | 80% |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡まで | 50% |
上記のとおり、小規模宅地等の特例は、用途によって適用できる面積が決まります。
また、特例を適用する土地は、適用要件に該当していれば対象面積を限度に複数選択できるため、例えば、貸付事業用宅地等の特例は路線価が高い土地に適用することで大きな効果を得られます。
そのため、小規模宅地等の特例を適用する土地は、複数のシミュレーションを行い、有利な組み合わせを検討するのがおすすめです。
更に効果を得るためには、所有不動産を売却して都心の一等地に収益物件を購入するなどの選択肢もあります(資産の組み換え)。
小規模宅地等の特例を適用した事例については、こちらの記事もご覧ください。
「小規模宅地等の特例」を計画的に使用することで相続税額を約半分に抑えた事例をご紹介しています。
土地の評価額を下げる相続税対策③利用区分を明確にしておく
土地の相続税評価は、原則として利用区分ごとに行うため、事前に区分を明確にしておくことで評価の誤りを防ぐことができます。
例えば、自宅のすぐ隣に貸駐車場がある場合、通常は自宅の敷地と貸駐車場の敷地を分け、それぞれ別に評価額を計算します。
計算に際し、どこまでが自宅の敷地で、どこからが貸駐車場なのか、その境界が客観的に判断できない場合、相続発生後に利用単位を調査する必要があります。
しかし、相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月と限られています。
その間に財産の洗い出しや遺産分割協議なども行わなければならないため、これらの調査に十分な時間を確保できない可能性があります。
その結果、適正な区分として評価できず、誤った評価をしてしまうリスクが生じます。
このようなリスクを防ぐために、事前に自宅と貸駐車場の間にコンクリートブロックやフェンスなどを設置し、利用単位を明確にしておくのも一案です。
なお、相続税評価の観点でいえば、境界確定測量を伴う分筆までを行う必要はありません。
事前に利用区分を明確にしておけば、相続税評価の時点で現況測量を行うことでも対応できます。
利用単位の分け方によって評価額が大きく変わる場合もありますので、不安な方は事前に土地の相続税評価に詳しい税理士事務所などに相談し、利用単位の分け方や分筆の要否を確認しておくとよいでしょう。
この事前対策によって必ずしも土地の評価額が下がるわけではありませんが、過大評価による相続税の納めすぎを防ぐことができます。
評価単位の区分方法について知りたい方はこちらをご覧ください。
土地の評価単位を間違えると、相続税評価額を正しく算出することはできません。区分方法や地目の種類について解説しています。
相続税の土地評価における地目別の評価単位の区分方法
土地の相続税評価は、評価対象地の評価単位を特定し、その後に評価方法を特定する流れで計算を進めていきます。
評価単位は、原則として土地の地目ごとで分けるため、ここでは、地目による基本的な評価単位の区分方法を解説します。
評価単位を間違えると適用する補正の種類や補正値が変わり、相続税額に影響が出ますので、適切に判定しましょう。
相続税では、土地の種類を、「宅地・田・畑・山林・原野・牧場・池沼・鉱泉地・雑種地」の9種類に分類します。
登記上の筆が分かれていても土地を一体利用している場合、全体を一つの土地として評価することになります。
反対に、登記上一筆の土地を複数の用途に供している場合は、利用区分ごとに土地を評価しなければなりません。
なお地目が異なる2つ以上の土地を一体利用している場合、例外的に土地全体を主たる地目として扱うケースもあります。
土地の評価単位は、地目ごとに区分方法が異なりますので、以下、9種類の地目ごとに解説します。
宅地
「宅地」とは、主に建物の敷地として用いる土地をいいます。
自宅や貸付アパートの敷地の地目は宅地であり、同じ目的に利用している土地全体を、「1画地の宅地」として評価額の計算を行います。
「1画地の宅地」とは、利用の単位となっている1区画の宅地を指し、必ずしも登記上の一筆と一致するわけではない点に注意が必要です。
宅地はさまざまな用途・目的として使用するため、利用区分の判断が困難になります。
自宅と貸付アパートが隣接している場合や、同じ敷地内に複数の建物があるときは、現況を確認したうえで評価単位を特定する必要があります。
田
田は、耕作の単位となっている「1区画の農地」(1枚の農地)ごとに評価額の計算を行います。
ただし市街地周辺農地や市街地農地などについては、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とします。
畑
畑の評価単位は田と同様、耕作の単位となっている「1区画の農地」(1枚の農地)ごとに評価額の計算を行います。
市街地周辺農地や市街地農地などは、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とします。
山林
山林は、一筆の山林を評価単位として計算します。
なお市街地山林に該当する場合には、利用の単位となっている一団の山林を評価単位とします。
原野
原野は、一筆の原野を評価単位として計算します。
なお市街地原野に該当する場合には、利用の単位となっている一団の原野を評価単位とします。
牧場・池沼・鉱泉地
牧場・池沼は原則として原野に準ずる評価単位とし、鉱泉地は一筆を評価単位として計算します。
これらの地目は一般的な相続税申告ではあまり発生しないものの、該当する場合は個別の状況に応じた判定が必要となります。
雑種地
雑種地は、雑種地以外の地目に該当しなかった土地が分類され、原則として同一の目的に供されている一団の雑種地を評価単位として計算します。
ただし、市街化調整区域以外の都市計画区域で、市街地的形態を形成する地域において、宅地と状況が類似する雑種地が2以上の評価単位により一団となっている場合、形状や地積の大きさ、位置等を総合的に判断し、一団評価することが合理的と認められるときには雑種地全体を一体評価します。
土地の評価単位の判定で注意すべきポイント
最終的な土地の評価単位は地目以外にも、いくつかの要素を複合的に勘案して判定します。
ここでは、土地の評価単位を判断する際に注意すべきポイントを解説します。
地目を判断するタイミング
土地の地目は登記簿に記載されていますが、登記上の地目と現況が異なる場合、相続開始時点の現況で判定します。
登記上の地目が畑であっても、実際には土地を建物の敷地として利用している場合、宅地として相続税評価額の計算を行います。
複数の地目が存在する土地を一体利用している場合
土地を評価する場合、原則は地目別に計算します。
しかし、登記上は、「宅地」と「雑種地」のように複数の地目が混在していても、全体が一体として利用されているならば一つの単位として評価します。
例えば、賃貸アパート(宅地)の入居者専用の駐車場(雑種地)のケースでは、駐車場はアパートの生活を支える付属施設のような役割を果たしているため、アパートの敷地である宅地の一部として一体評価するのが妥当でしょう。
なお貸付アパートと貸付駐車場が隣接している場合でも、別々に貸し付けている場合には、それぞれを個々に評価するケースもあります。
権利関係で評価単位は変わる
評価対象地に2つの建物があるケースは、建物の利用状況によって評価単位が変わることがあります。
同じ敷地内に親と子の建物が建っている場合、親が子へ土地を無償で貸しているときは、土地全体を一体評価します。
一方、貸付アパートなど有償で貸し付けている場合、1つの土地であったとしても、自宅の敷地と貸付アパートの敷地を区分して評価しなければなりません。
また同じ貸付用として利用している土地でも、貸付先が異なる場合は、別々に評価するなど、権利関係によって評価単位は変わりますので注意が必要です。
相続時の分け方でも評価単位は異なる
遺産はすべての相続人が同意していれば、どのような形で分けても問題ありません。
しかし、土地の評価額の計算においては、分割方法が評価単位に影響することがあります。
遺産分割により土地を切り分けて取得した場合、原則は分割後の区画を「1画地の宅地」とします。
ただし、分割後の画地が宅地として通常の用途に利用できないなど、土地の分け方が著しく不合理であると判定するケースにおいては、分割前の画地を、「1画地の宅地」として評価しなければなりません。
「不合理分割」とは、正方形の土地を対角線で分けたり、道路に接しない土地が発生するように分割したりすることをいいます。
土地の相続税評価額は、分割方法次第では相続税評価額を大幅に下げることができますが、不合理分割に該当しないよう注意が必要です。
また親族間であれば使用貸借により分割後も土地を一体利用することも可能なため、不当な評価額の引き下げを防ぐ観点から、不合理分割に該当する場合には分割前の画地で計算することになります。

土地の相続税評価に必要な資料
対象地の評価単位が確定したら、それに応じて適切な評価方法を選定します。
適切な評価方法を選定するためには、根拠となる資料の収集が必要です。
相続税申告経験者の29.4%が、「必要な書類を集めるのが大変だった」と回答されており、申告全体を通じて感じた負担の中で特に多く挙げられた声でした。
更に23.0%の方が、「必要な書類の収集に時間がかかることを、もっと早く知っておけばよかった」と振り返っています。

※フジ相続税理士法人調べ(2026年実施・N=204)
書類収集は、相続税申告の手続で時間を要する工程の一つです。
評価方法の判定や評価額の算出に必要となる主な資料は、次のとおりです。
- 全部事項証明書・公図・地積測量図
- 路線価図・倍率表・調整率表
- 名寄帳・固定資産税評価明細書
- 都市計画図
- 道路台帳
- 住宅地図
- 権利関係が分かるもの(賃貸借契約書・地代収入証明書など)
- 地役権図面
- 土地利用計画図
- 建築計画概要書・配置図
- 遺跡地図・埋蔵文化財包蔵地地図
- ハザードマップ
- 宅地造成費の見積書 など
基本的な資料の利用方法や取得目的について解説します。
なお、各市区町村の担当課の名称は、自治体ごとで異なる場合があります。
正式な名称については、各自治体の窓口にお尋ねください。
全部事項証明書・公図・地積測量図
各種資料は、法務局で取得します。
全部事項証明書は、登記簿に記載している不動産の所在地、地目、地積、所有者、権利関係などを確認するための資料です。
共有不動産の場合は、持分の確認にも役立ちます。

公図は、土地の位置や形状、隣接関係をおおまかに把握するための図面で、相続税評価の際に評価対象地の位置関係や接道状況の確認に用います。

地積測量図は、登記した土地の適正な地積(面積)や境界線、形状を把握できる図面であり、不整形地や高低差など、評価補正が必要な土地の判定に役立ちます。

これらの資料は、全国いずれの不動産であっても最寄りの法務局で取得することができます。
また、オンラインでの請求も可能です。
路線価図・倍率表・調整率表
国税庁のホームページで公開されており、無料で閲覧・ダウンロードできます。
路線価図は、道路に付した路線価(1㎡あたりの価額)を確認する資料で、路線価方式による評価の際に使用します。

倍率表は、固定資産税評価額に一定の評価倍率を乗じて評価額を算出するための資料であり、倍率方式に利用します。

調整率表は、土地の形状や地積に応じた補正率を確認するためのもので、評価額の補正計算に用います。
これらの資料は、相続開始日時点の年度のものを使用します。

名寄帳・固定資産税評価明細書
各市区町村の資産課税課などで取得します。
名寄帳は、被相続人がその市区町村内で所有している不動産(土地・建物)を一覧で確認できる資料です。
評価対象となる不動産の漏れを防ぐ目的で利用するもので、相続財産の洗い出しにも役立ちます。
ただし、未登記の建物など、特異なケースは記載がない場合があるため、注意が必要です。

固定資産税評価明細書は、土地ごとの地目や地積、固定資産税評価額、課税標準額などが記載されており、相続税評価額を算出する際の基礎資料として使用します。

都市計画図
各市区町村の都市計画課や建築指導課などで取得できます。
都市計画図は、評価対象地が属する用途地域や防火地域、建ぺい率、容積率、そのほかの土地利用規制などを確認するための資料です。
評価単位や地目の判定、土地利用の制限による評価減の可能性などを検討する資料として役立ちます。
また、地積規模の大きな宅地の評価が適用可能かどうかの判断材料としても使用します。
多くの自治体ではホームページ上で閲覧・印刷が可能ですが、適正な位置情報を反映した都市計画証明書が必要な場合は、窓口での取得を推奨します。

道路台帳
各市区町村の建設課や道路管理課などで取得します。
道路台帳は、接道している道路の種別(公道・私道)、幅員、管理者などを確認するための資料です。
相続税評価では、接道条件によって評価額が変動するため、無道路地や私道としての評価の適用、セットバックの要否判断などに用います。

住宅地図
書店や図書館、オンラインのゼンリン住宅地図提供サービスなどで入手できます。
住宅地図は、建物の位置や形状、用途、居住者の名前などを詳細に記した地図で、評価対象地や周辺環境の把握に有用です。
公図では把握しきれない建物の配置や接道状況、近隣との関係などを視覚的に確認でき、路線価の適用や間口・奥行補正などの判断材料として活用できます。
また、役所で各種資料を申請する際に、評価対象地の所在地を指定するときにも役立ちます。

資料を過信しない
相続税の土地評価は、被相続人が亡くなった時点の現況に基づいて行います。
しかし、資料に記載している情報と現地の実際の状況が異なる場合があるため、現地調査や役所への聞き取り調査を行うことが重要です。
例えば、路線価は建築基準法上の道路に接していることを前提に設定していますが、実際に現地を確認すると接道している道路の道幅が非常に狭く、他の建物の出入り口として使用されていない状況で、役所調査を行うと、そもそも建築基準法上の道路となっていないケースがありました。
このような場合、その路線価を適用すべきでないため(税務署への説明が必要になります)、道路種別図などを用いて道路の法的な位置づけを確認します。
資料を過信して評価を行うと、評価額が高くなり、本来よりも多くの相続税を納める可能性もあります。
土地の相続税評価についてよくある質問
相続の手続を進める中で、多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。
正しい知識を持つことが、不安を解消するための第一歩となるでしょう。
家屋の評価額は、固定資産税評価額と同じですか?
自用の家屋評価額は、固定資産税評価額と同じです。
賃貸アパートなどの賃貸物件を所有している場合は、借家権割合と賃貸割合を考慮して計算します。
なお、空室期間が長期にわたる住戸については、賃貸割合の計算上、賃貸中とみなされない可能性があるため、実務上は空室の状況や期間、入居募集の継続性などを総合的に判断する必要があります。
借家権割合は原則として30%です(全国一律)。
固定資産税評価額×(1-借家権割合30%×賃貸割合)
もし賃貸割合が100%であれば、固定資産税評価額の70%が相続税評価額となります。
土地の相続税評価額の概算額を簡単に出す方法はありますか?

上記の図をご覧ください。
相続税評価額は公示地価の80%、固定資産税評価額は公示地価の70%が目安となっています。
そのため、土地の固定資産税評価額がわかれば、相続税評価額の概算を出すことができます。
土地の相続税評価額=固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 0.8
しかし、実際の相続税評価額は、「財産評価基本通達」という複雑なルールに基づいて計算しており、上記のような単純な計算式では、求められません。
簡易的な計算では相続税の概算額を見誤ってしまい、不要な相続対策を行ってしまう可能性があるため、特に土地を多く所有している方は、できるだけ詳細に土地評価を行うことをおすすめします。
相続税申告後に評価額の誤りに気付いたときは、どうしたらいいですか?
相続が発生してから5年10か月以内であれば、当該相続税申告の更正の請求を行うことで、納めすぎた相続税の還付を受けることができます。
一般的には、この申請を「相続税の還付手続」と呼びます。
納めすぎているかどうかは、専門家による無料診断で確認できます。
期限が過ぎると申請できなくなりますので、期限内に相談しましょう。
相続税還付手続きの仕組みや手続きの流れ、メリットについて分かりやすく解説しています。
立地の悪い土地や売りにくい土地でも、相続財産として評価しないといけませんか?
相続財産の評価はご自身の判断ではなく、財産評価基本通達に基づいて評価を行う必要があります。
その結果、相続税評価額が予想以上に高くなることがあります。
その場合は、土地の相続税評価に強い税理士事務所や不動産鑑定士に相談して、当該評価が適正か、または、不動産鑑定評価が適用できないか確認してみてください。
贈与税を計算するために土地を評価する際も、相続税の土地評価と同じルールですか?
はい。
贈与税を計算する際も財産評価基本通達にのっとり、相続税と同じルールで土地を評価します。
相続税と贈与税では、税率や特例などが異なりますので、最終的な納税額は異なります。
まとめ
相続税の土地評価は、路線価方式・倍率方式・宅地比準方式の3つの計算方法を基本としつつ、土地の形状・立地条件・付着する権利などによって評価額が大きく変動します。
適切な補正の適用と、小規模宅地等の特例などの節税制度の活用によって、相続税額には大きな差が生まれます。
土地の個別性が強いほど、評価には専門的な知識と経験が必要となります。
ご自身での評価が難しいと感じた場合や、既に申告した相続税が適正であったか不安が残る場合は、土地評価に強い専門家への相談をご検討ください。
ご自身で土地評価を進めるべきか、専門家への依頼が望ましいかの判断については、下記記事もあわせてご参照ください。
自分で土地評価ができるケースと専門家に依頼すべき判断基準、具体的な計算手順そして、減額要素を見落とさないためのポイントを解説します。
相続税の土地評価に関するご相談はフジ相続税理士法人へ
フジ相続税理士法人が調査したアンケートでは、税理士を選ぶ際に重視したポイントとして、「土地を含む相続税申告への対応実績」を挙げた方が18.1%、依頼前に確認した事項として、「土地を含む相続税申告の経験が豊富か」を確認した方が24.0%にのぼり、土地評価に関する税理士の経験は、依頼先選定の重要な判断材料となっています。
フジ相続税理士法人は、地主様・不動産オーナー様の不動産相続を専門とする事務所です。
相続専門税理士に加えて不動産鑑定士が在籍しており、土地評価については、税務の視点だけでなく時価評価の観点からも、複数のスタッフが多面的にチェックする体制を整えております。
ご相談内容に応じて、以下のサービスをご用意しております。
- 相続税申告:不動産をお持ちの方のための相続税申告及び相続手続きサポート
- 相続対策・不動産コンサル:相続対策シミュレーション、法人化シミュレーション、相続不動産コンサルティングなど
- 相続税還付:相続税還付可能性の無料診断・完全成功報酬制度
- 相続税土地評価:相続税土地評価クアトロチェック®、土地評価セカンドオピニオン
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