相続税還付コラム

道路予定地や高圧線下地を見直し350万円の相続税還付|事例

依頼者: K県O市在住 松田様(仮名)
依頼内容: 2年前、お父様が亡くなった際に1億1千万円もの相続税を納付。
以前、相続税還付手続きのお手伝いをし、過払い分の還付に成功されたT様からのご紹介により、還付可能性チェックをさせていただくこととなりました。
減額要因: ■広大地評価がなされた土地の、さらなる減価要因の見落とし
『評価意見書』には「広大地評価」にプラスして、「都市計画道路予定地」および「高圧線下地」の減価要因に関する記載があるにも関わらず、申告書に反映されていませんでした。

今回は、K県O市在住 松田様(仮名)のケースです。

松田様は、以前当グループが相続税還付手続きのお手伝いをし、過払い分の相続税還付に成功されたT様からご紹介をいただいた方です。2年前、お父様が亡くなった際に1億1千万円もの相続税を納めていらっしゃいました。

紹介者のT様に同行していただき、松田様のお宅に伺いましたが、その際、松田様からは「せっかくの申し出はありがたいけれど、多分、土地評価でこれ以上の減額はないと思うよ」と自信たっぷりに言われました。と言うのも、申告の段階から、依頼した税理士に勧められて不動産鑑定士にも入ってもらい土地評価を行ったのだそうです。

実際、申告書を拝見しても、不動産鑑定事務所の名前の入った立派な『評価意見書』が添付されています。中身は、ご自宅が建っている1,820㎡の敷地が、「広大地」に該当するとする『広大地評価意見書』でした。

さらに、「戸建て分譲した場合の開発想定図」と「マンション分譲した場合の開発想定図」が双方付き、開発を行った場合の収益採算性の検証等も行われており、見た目だけでなく、内容も立派な意見書でした。

そのまま読み進めていくと、対象不動産の個別的要因の欄に、①敷地の一部が「都市計画道路予定地」にかかっていること、②敷地の一部(約350㎡部分)が「高圧線下地」となっており、高さ制限や利用制限がはたらくこと等が記載されていました。

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『評価意見書』の指摘が申告書に反映されていないことが判明

では、それらの減価要因について相続税申告書上、きちんと織り込まれて評価してあるか…と評価明細を見てみると、なんと!!「広大地評価」を適用しただけで評価が終わっており、「都市計画道路予定地」であることの減価や、「高圧線下地」であることの減価が全く織り込まれていませんでした。

「広大地評価」は「奥行価格補正」「不整形地補正」「宅地造成費控除」等との重複適用はできませんが、「都市計画道路予定地」であることの減価、「高圧線下地」であることの減価との重複適用は可能となっております。今回のケースの場合、「都市計画道路予定地」であることの減価率が△1%「高圧線下地」(該当部分350㎡部分のみ)の減価率が△30%であったため、本来の評価額は以下の計算で算出することとなります。

見直し後の評価額

従って、広大地評価のみ適用した場合と比較して約870万円も評価額が減額され、松田様の場合、税額ベースでも約350万円の相続税が還付されることになりました。

『広大地評価意見書』は、あくまで「広大地評価」の適用が妥当な土地か否かを判断するための意見書であり、対象土地そのものの評価額を算出したものではありません。そのため、担当税理士は『広大地評価意見書』の結果を受けて当該土地に「広大地評価」を行い、「財産評価基本通達」に照らし、重複適用できる減価要因が他にあるのであれば、当該税理士の責任と判断のもと、これらを正しく織り込み評価・申告をしなければなりません。

また、不動産鑑定士事務所の方も、相続税の財産評価通達に精通した事務所であれば、重複適用が可能であることを担当税理士に申し送るなり、参考として、実際の相続税評価額まで算出してあげる等の心配りにより防ぐことのできた見落としだと思います。

申告する税理士が「評価意見書」の意味を的確に把握していない。また、不動産鑑定士と税理士との間で綿密な連携が取れていないといったことが起これば、高い報酬を払ってもらっても、その価値は半減してしまいます。そして、結果として損害を被るのは、各専門家を信用して依頼した納税者自身なのです。

今回のポイント

  • 「広大地評価」は「奥行価格補正」「不整形地補正」「宅地造成費控除」等との重複利用はできないが、「都市計画道路予定地」であることの減価、「高圧線下地」であることの減価等との重複利用は可能である。
  • 不動産鑑定士に「評価意見書」や「鑑定評価書」を作成してもらっても、不動産鑑定士と税理士との連携が綿密でないと、申告書上の評価額に減額要因が正しく反映されない場合があることに留意する。
  • 相続税の土地評価に不動産鑑定士が入る場合、一般的には、税理士から依頼された一部の土地調査のみを行うため、全ての土地評価が万全であるとは限らない。

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